中国の生成AIアニメは、短い映像を作る技術から、脚本・作画・動画・音声までをつなぐ「AI漫劇」産業へ進み始めています。
2026年8月時点では、bilibiliのアニメ動画生成研究「AniSora」に加え、ByteDanceの「Seedance 2.0」、短編制作ツール「小雲雀 AI」、中国発スタートアップ「YOOUSI」など、実際の作品制作や事業化まで進む例が確認できます。(arXiv/36Kr Japan)
「中国ではAIだけでアニメを作っているの?」「AniSoraとは何?」「日本のアニメ制作にも影響する?」と気になる方も多いですよね。
この記事では、研究論文や公式発表、中国テック業界を扱う報道を確認しながら、中国の生成AIアニメで実際に何が起きているのかを整理します。
中国の生成AIアニメ事情とは?AI漫劇で何が起きている?
中国で起きている最大の変化は、生成AIを一つの作画ツーJaして使う段階から、作品を企画・制作・配信する「生産ライン」へ組み込む段階へ進んだことです。
その象徴が「AI漫劇」と呼ばれる短尺アニメ型コンテンツです。
36Kr Japanが2026年5月16日に公開した「【AIがアニメを量産】中国発『AI漫劇』、爆速拡大と淘汰へ」によると、AI漫劇はネット小説や漫画などをもとに、AIで数分程度の縦型アニメへ変換するコンテンツとして2025年以降に急成長しました。主な流通先の一つとして、中国版TikTokにあたる「抖音(Douyin)」が挙げられています。(36Kr Japan)
制作では、原作となるIPの選定から、
といった複数の工程へ生成AIが入ります。
ここで大切なのは、「AIが絵を描けるようになった」だけではありません。
たとえるなら、工場に高性能な機械を1台置いたのではなく、工場のベルトコンベヤーそのものをAI前提に組み替え始めたような変化なのです。
この動きを支えているのが「AIエージェント」です。
難しい言葉に聞こえますが、「脚本を考えるAI」「画像を作るAI」「動画にするAI」と役割を分け、それぞれへ次の仕事を自動的に渡していく仕組みと考えると分かりやすいでしょう。
実際、36Kr Japanは2025年秋にはAI漫劇へ経営資源を集中させる事業者が現れ、IP選定、脚本、キャラクター、背景、動画出力、広告投入までをAIでつなぐスタジオの事例を報じています。(36Kr Japan)
中国の「漫劇」は年間700億回超の再生規模に
AI漫劇が広がる背景には、短尺の漫画・アニメ型コンテンツそのものを消費する大きな市場があります。
36Kr JapanがDataEyeの「2025年版」報告を紹介した記事によると、中国の「漫劇」の2025年総再生数は700億回を超えたとされています。
その中でAI生成作品のシェアは、年初にはほぼゼロだったところから、年末には10.88%まで拡大したと報じられました。36Kr日本
もちろん、これは「中国のアニメ全体の10.88%がAIになった」という意味ではありません。
対象はDataEyeが集計した「漫劇」という特定の短尺コンテンツ市場です。
それでも、2025年の1年間でAI生成型コンテンツが無視できない割合へ伸びたことは、中国の生成AIアニメを単なる研究ブームだけでは説明できないことを示しています。
筆者としては、「高品質なAI動画モデルが登場したから市場ができた」のではなく、「短尺動画を大量に見る市場がすでにあったところへAIがはまった」と見るほうが実態に近いと考えています。
bilibiliのAniSoraとは?アニメ専用AIは何が違う?
AniSoraは、bilibiliの研究チームなどが発表したアニメーション動画生成に特化した研究システムです。
論文「AniSora: Exploring the Frontiers of Animation Video Generation in the Sora Era」は2024年12月13日にarXivへ初版が投稿され、その後更新されました。2025年5月22日付のv5も公開されています。(arXiv)
一般的な動画生成AIとAniSoraの違いは、実写映像とは性質の異なる「アニメの動き」を正面から研究対象にしている点です。
実写なら、人の体や物体は現実の物理法則にある程度従いますよね。
ところがアニメには、
「顔が大きくデフォルメされる」
「髪や服が現実以上に大きく動く」
「現実にはあり得ない速度で飛ぶ」
「一瞬だけ体形そのものを崩す」
といった表現があります。
AniSoraの論文でも、アニメは独特の画風や誇張された動き、現実の物理法則から外れる表現を持つため、一般的な動画生成とは別の難しさがあると説明されています。(arXiv)
AniSoraは1,000万超の高品質データを使う
AniSoraでは、大規模なアニメーション動画データを処理する専用パイプラインも構築されています。
論文とbilibiliのGitHubによると、その処理基盤は1,000万件を超える高品質な動画データを扱う規模です。arXiv+1
ここで注意したいのが、「1,000万本の完成アニメ作品を丸ごと学習した」という意味ではないことです。
研究では元動画をシーン単位に分割し、条件に合わない映像を除外して、学習に使いやすい短い動画データへ加工しています。
AI関連の記事では「1,000万」という大きな数字だけが独り歩きしやすいのですが、作品数と学習用クリップ数は別物です。
数字を見るときは「何を1件と数えたのか」まで確認したいところですね。
948本のアニメで生成品質まで評価
AniSoraには、動画を作るモデルだけでなく、生成結果を評価するためのベンチマークも用意されています。
2025年5月公開の論文v5では、評価用データは948本の動画で構成されています。(arXiv)
研究チームは、キャラクターの一貫性や動きなど、アニメ動画として重要な項目を評価しようとしています。
たとえば、最初のカットでは黒髪だった人物が、動いた瞬間に茶髪になってしまったら、1枚ずつの画像がきれいでもアニメとしては困りますよね。
同じように、
といった問題を減らさなければ、実際の映像制作には使いにくいわけです。

AniSoraはImage-to-Videoだけでなく、フレーム間を補う生成や、画像の一部分を指定して動かす局所ガイドなど、アニメ制作で使いやすい複数の制御方法を研究しています。GitHub
筆者がAniSoraで特に重要だと感じるのは、「生成できた」で終わらず、「安定して使えるか」を測ろうとしている点です。
仕事道具は、たまたま一度だけ良い結果が出ても困ります。
同じキャラクターを何カットも扱うアニメでは、派手な一発の映像より、再現性や一貫性のほうが実用面では重要になるからです。
AI漫劇の制作期間とコストは?YOOUSI・小雲雀 AIの事例
中国の生成AIアニメが注目される理由は、研究だけでなく、実際の制作会社や作品で期間短縮の事例が出ていることです。
ここでは、匿名の「ある企業」ではなく、確認できる固有名を見ていきましょう。
YOOUSIは漫画を1〜3分のアニメへ変換
中国発スタートアップの優時映画(YOOUSI)は、AIを使ったアニメ制作を手がける企業です。
36Kr Japanが2025年10月25日に報じたところでは、YOOUSIは自社AIツールを使い、原作漫画を1話1〜3分程度のアニメへ変換しています。(36Kr Japan)
同社は2017年からオリジナル漫画制作に取り組み、2018年にAIツール開発を開始。2023年には実用段階へ入り、報道時点までに約100作品のAIアニメを公開したとされています。(36Kr Japan)
YOOUSIは、従来なら1〜2年規模だった制作期間を1〜2カ月程度まで短縮できると説明しています。(36Kr Japan)
もちろん、日本のテレビアニメ1クールと、1〜3分のAIアニメを同じ条件で比較することはできません。
尺、作画密度、声優、音楽、演出、修正回数などが大きく違うからです。
それでも重要なのは、AI動画生成が研究室のデモではなく、「原作IPを短尺アニメ化する事業モデル」へ組み込まれていることです。
さらにYOOUSIは、ByteDance傘下の「巨量引擎(Ocean Engine)」や「抖音」と連携し、日本市場も戦略上の重要地域として見ています。
同社は湖南省長沙市、浙江省杭州市、東京、タイのバンコクに拠点を持つと報じられています。36Kr日本
「中国国内だけで大量生産する話」と考えていると、少し見方を変える必要がありそうです。
「万兽独尊」は5人・約8日で全60話を制作
さらに具体的なのが、ByteDance傘下の動画制作プラットフォーム「小雲雀 AI」を使った事例です。
36Kr Japanが2026年3月31日に報じたところでは、小雲雀 AIはSeedance 2.0を搭載し、最大10万字の脚本から複数話のシリーズ動画を生成するAIエージェント型ツールとして公開されました。(36Kr Japan)
クローズドベータで制作されたアニメ形式のショートドラマ「万兽独尊」は、抖音で配信開始後4日間で再生1億回を突破したと報じられています。36Kr日本
制作したのは創翊伝媒のチームです。
同社マネージャーの林波氏によると、4万字を超える脚本から全60話を5人のスタッフが約8日間で制作しました。
林氏は、従来のツールなら同様の作業に少なくとも3〜6カ月を要したと説明しています。(36Kr Japan)
この事例は、「AIなら誰でも8日で60話作れる」という意味ではありません。
専用ツール、経験のあるチーム、短尺作品という条件がそろった一例です。
それでも、人数・制作期間・作品数・配信結果まで確認できる実例として、中国の生成AIアニメ事情を考えるうえで非常に分かりやすい材料でしょう。
90話前後で数十万元という制作モデルも
36Kr Japanの2026年5月の記事では、AI漫劇の小規模チームが、90話前後のシリーズを数十万元程度で制作する例も紹介されています。
記事では「数百万円程度」と換算されていますが、為替は動くため、日本円額はあくまで報道時点の目安として見る必要があります。(36Kr Japan)
また、大ヒット作品では億単位の視聴数に達し、ヒットすれば制作費に対して数倍のリターンを狙えた事例があると報じられています。(36Kr Japan)
私がここで注目したいのは、「制作費が安くなったこと」だけではありません。
本当に大きいのは、市場へ作品を出して試せる回数が増えることです。
1作品を1年かけて作る場合、企画を外したときの損失は大きくなります。
一方、短尺作品を短期間で複数出せれば、反応を確認してから次の作品へ修正を反映できます。
これは映像制作というより、Webサービスの「小さく作り、反応を見て直す」という開発方法に近づいているように私は感じます。
Seedance 2.0・Kling・Viduは中国のAIアニメをどう変えた?
2026年の中国では、動画生成AIの競争が「きれいな数秒動画を作れるか」から、「企画から完成までどこまで一つにつなげられるか」へ移りつつあります。
代表的な名前として、ByteDanceのSeedance、快手(Kuaishou)系のKling、Viduなどがあります。36Kr Japanは、これらが単一シーンを生成するツールから、AI脚本やAI絵コンテも含む制作環境へ広がっていると伝えています。(36Kr Japan)
Seedance 2.0は動画と音をまとめて生成
ByteDance Seedは2026年2月12日、Seedance 2.0の正式公開を発表しました。公式発表では、最大15秒のマルチショット映像と音声を生成できるモデルとされています。(Seed)
研究報告「Seedance 2.0: Advancing Video Generation for World Complexity」では、Seedance 2.0は、
という4種類の入力を扱えるマルチモーダル型モデルとして説明されています。生成時間は4〜15秒、ネイティブ出力は480pと720pです。(arXiv)
これは、文章だけを入力して動画を出す単純な仕組みではありません。
「この人物を使う」「この映像のカメラワークを参考にする」「この音を合わせる」といった複数の素材を渡し、完成映像へまとめる方向へ進んでいます。
パソコン作業に置き換えるなら、文章ソフト、画像ソフト、音声編集ソフト、動画編集ソフトが別々に存在していたところへ、それらを横断する作業環境が登場したようなものです。
著作権問題は「高性能なら成功」とはいかないことも示した
ただし、Seedance 2.0の動きには別の重要な側面があります。
Reutersは2026年3月14日、ByteDanceがSeedance 2.0の世界展開を一時停止したとThe Informationが報じたことを伝えました。
背景には、米国の映画会社などから著作権侵害をめぐる問題が指摘され、ByteDance側が知的財産の無断利用を防ぐ安全対策を進めているという事情がありました。Reuters自身はThe Informationの報道内容を独自確認できていないとも明記しています。(Reuters)
ここは生成AIアニメを見るうえで欠かせないポイントです。
技術的に作れることと、商用サービスとして安心して使えることは別問題なのです。
モデルの性能が上がるほど、既存キャラクターや人物を精巧に再現できてしまいます。
そのため今後は、「どれだけ高画質か」と同じくらい、「何を生成させないか」「権利者の利益をどう守るか」がサービスの競争力になっていくと考えられます。

なぜ中国ではAI漫劇が急成長した?短尺・IP・量産の相性
中国でAI漫劇が伸びた理由は、AI技術だけではありません。
短尺動画市場、ネット小説や漫画のIP、低コストで多数の企画を試す制作方法の三つが噛み合ったこ
とが大きいと考えられます。
36Kr Japanによると、中国のAI漫劇では「オリジナルIP」に加え、「中国産ネット小説IP+AI」という制作モデルが広がっています。(36Kr Japan)
ここが非常に重要です。
動画生成AIがあっても、「何をアニメ化するか」がなければ作品にはなりません。
中国にはネット小説、漫画、ショートドラマなど、スマートフォンで短い物語を楽しむ市場がすでにあります。
そこへ生成AIをつなぐことで、
ネット小説・漫画IP → AI脚本・絵コンテ → AI動画 → 短尺シリーズ → 抖音などで配信
という流れを作りやすくなったわけです。
AIの弱点に作品の形を合わせたことが強い
筆者が中国のAI漫劇で最も興味深いと感じるのは、「従来の30分アニメをそのままAIに置き換える」のではなく、今のAIが作りやすい商品へ作品側を寄せたことです。
現在の動画生成AIにとって難しい問題の一つが、長時間の一貫性です。
10秒の映像なら同じ人物に見えても、数分、数十分と続けば、
「顔が少しずつ変わる」
「衣装が変化する」
「背景の位置関係がおかしくなる」
といった問題が積み重なります。
AniSoraがキャラクターや動きの一貫性を評価対象として研究していることからも、この難しさが分かります。arXiv
そこで短いカットを生成し、編集してつなぎ、スマートフォン向けの短尺作品として見せる。
これは、AIの弱点が完全に解決するのを待つのではなく、今のAIが力を出しやすい競技場を先に作ったとも言えるでしょう。
この視点は、日本の制作者が生成AIを考えるときにも参考になります。
「テレビアニメをAIだけで作れるか」と考えるとハードルは非常に高いですが、「15秒の企画映像」「30秒のPR」「絵コンテ段階の試作」なら現実味がぐっと増します。
中国の生成AIアニメは日本へどう影響する?今後の注目点
日本ですぐに「テレビアニメが全部AIへ置き換わる」と考える必要はありません。
むしろ今後影響が出やすいのは、企画や試作、短尺コンテンツなど、制作工程の前後にある部分だと筆者は考えています。
中国のAI漫劇と日本の一般的な商業アニメでは、そもそも商品としての性格が異なります。
AI漫劇では短尺、少人数、量産、視聴データを見ながらの改善が強みになりやすい一方、日本のテレビアニメや劇場アニメでは、原作再現、演技、作画、声優、音楽、演出など、長時間にわたる作品全体の完成度が重視されます。
どちらが優れているという話ではありません。
生成AIによって、これまで採算が合わなかった別の映像商品が成立し始めたと見るべきでしょう。
日本で比較的導入しやすいと考えられるのは、
といった工程です。
反対に、何話にもわたってキャラクター設定を完全に維持する作業や、繊細な芝居、作品全体の演出判断、権利処理などは、人間の確認が重要な領域として残る可能性が高いでしょう。
YOOUSIがすでに日本市場を重視し、東京にも拠点を設けている点を考えると、「中国で起きている海外の話」として切り離すこともできません。(36Kr Japan)
AI漫劇は早くも淘汰の段階へ
成長市場だからといって、参入すれば簡単に成功できるわけでもありません。
36Kr Japanは2026年5月の記事で、Seedance 2.0、Kling、Viduなどの進化に加え、テンセントやバイドゥもAI動画制作環境を展開し、制作スタジオ間の競争も激しくなっていると報じました。36Kr日本
同記事では、今後2〜3カ月で参入企業がさらに増えた後、採算の合わない企業が撤退し、9カ月後にはごく少数しか残らない可能性があるという予測も紹介されています。
これは確定した未来ではなく、記事内で示された業界予測です。(36Kr Japan)
ただし方向性として、「動画生成AIを使える」だけでは差別化できなくなるのは自然でしょう。
誰でも同じ道具を使えるようになれば、
どのIPを選ぶのか。どんな物語にするのか。どの映像を残し、どこを作り直すのか。誰へ届けるのか。
という人間側の判断が再び重要になります。
生成AIは職人を一瞬で不要にする魔法の機械というより、制作できる量を急激に増やす機械です。
作れる量が増えるほど、逆に「何を作らないか」を決める編集力の価値が高まる。
筆者は、中国のAI漫劇がまさにその段階へ入り始めていると見ています。
日本の個人クリエイターにも参考になるのは「全部AI化」ではない
中国の事例から日本の制作者や個人クリエイターが学べるのは、「人を減らせばよい」という話ではありません。
注目したいのは、制作工程を細かく分け、AIが得意な部分だけを任せていることです。
短いイメージ動画はAI。
最終的なキャラクター設定は人間。
複数案の試作はAI。
どの案を採用するかは人間。
こうして考えると、AI導入はそれほど難しい話ではありません。
AniSoraの研究やAI漫劇の制作事例を見ても、現時点で重要なのは「全部自動化できるか」より、短い工程をどこまで安定して自動化できるかだからです。
中国のAI漫劇は、生成AI時代のアニメ制作で「人が消える未来」より先に、「作り方が組み替わる未来」を見せているように私は感じます。
中国の生成AIアニメ事情まとめ
中国の生成AIアニメは、2026年8月時点で研究、制作ツール、短尺作品、配信、収益化を含む産業へ広がり始めています。
bilibiliのAniSoraでは、アニメ動画に特化した生成技術と1,000万件超の高品質データ処理基盤、948本の評価ベンチマークが研究されています。
実際の制作現場では、優時映画(YOOUSI)が漫画を1話1〜3分のアニメへ変換し、報道時点までに約100作品を公開。制作期間を1〜2カ月規模へ短縮するモデルを展開しています。
さらに小雲雀 AIを使った「万兽独尊」では、創翊伝媒の5人のチームが全60話を約8日で制作し、抖音で配信開始から4日間で1億回再生を突破したと報じられました。
一方で、Seedance 2.0をめぐる著作権問題が示すように、高性能なAIなら自由に商用利用できるわけではありません。IP、学習データ、生成物、配信先それぞれで権利確認が必要です。
私が中国の生成AIアニメ事情から感じる一番大きな変化は、「AIがアニメを作れるようになったこと」より、「AIに合わせた新しいアニメの作り方と売り方が生まれたこと」です。
短尺にする。少人数で作る。複数案を試す。視聴者の反応を確認する。そして良いものを伸ばす。
これは従来のアニメ制作をそのままAIへ移植する方法とは大きく異なります。
今後、日本でも重要になるのは「AIを使うか、使わないか」という二択ではないでしょう。
どの工程ならAIが役立ち、どこには人間の判断を残すべきなのか。
そこを作品ごとに考えられる制作者ほど、生成AIをうまく道具として使えるのではないでしょうか。
参考資料
本記事では、2026年8月13日時点で確認できる以下の一次資料・報道を主に参照しました。
よくある質問
中国では生成AIだけでアニメを完全自動制作しているのですか?
すべての作品が完全自動というわけではありません。
AI漫劇では脚本、キャラクター、背景、動画など広い工程へAIを使っていますが、「万兽独尊」の事例でも5人の制作スタッフが関わっています。現状は少人数の人間がAIを使って大量の工程を管理する方式と考えるのが適切です。
AniSoraとはどんな生成AIですか?
AniSoraは、bilibiliの研究チームなどが発表したアニメーション動画生成に特化した研究システムです。
Image-to-Videoやフレーム補間、局所的な画像ガイドなどを扱い、948本の動画を使ったアニメ専用の評価ベンチマークも構築されています。
中国のAI漫劇は日本のテレビアニメを置き換えるのでしょうか?
現時点で、そのように単純化するのは早いでしょう。
AI漫劇は短尺・少人数・量産型のコンテンツと相性が良く、日本のテレビアニメや劇場アニメとは制作期間、品質基準、演出、権利処理などが異なります。
ただし、YOOUSIが日本市場へ進出しているように、短尺アニメやプロトタイプ、漫画の映像化など、一部の領域では日本市場にも影響が広がる可能性があります。
松原 健一(まつばら けんいち)
フリーランスITアドバイザー

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